具体的内容
stringlengths
0
1.34k
背景・要因
stringlengths
0
1.3k
改善策
stringlengths
0
787
記述情報
stringclasses
40 values
具体情報
stringclasses
66 values
分類
stringclasses
515 values
事故の程度
stringclasses
22 values
段階
stringclasses
18 values
テーマ
stringclasses
2 values
検体の種類
stringclasses
4 values
重要な基本注意
stringclasses
4 values
情報の流れ
stringclasses
28 values
発生段階
stringclasses
29 values
実施の有無
stringclasses
3 values
疑義があると判断した理由
stringclasses
3 values
対象の医薬品
stringclasses
32 values
不具合の内容
stringclasses
6 values
専門分析班及び総合評価部会の議論
stringclasses
34 values
当事者職種(職種経験年数)1人目
stringclasses
22 values
当事者職種(職種経験年数)2人目
stringclasses
22 values
関連したモノ
stringclasses
7 values
専門分析班・総合評価部会の議論
stringclasses
103 values
報告事例
stringclasses
7 values
検査項目
stringclasses
7 values
吸入酸素濃度
stringclasses
3 values
挿入した職種
stringclasses
4 values
事故の内容1
stringclasses
3 values
事故の内容2
stringclasses
3 values
訪問での専門分析班委員の主な意見
stringclasses
3 values
発生場所
stringclasses
3 values
人工呼吸器※
stringclasses
3 values
備考
stringclasses
3 values
薬剤
stringclasses
3 values
誤った処方内容
stringclasses
7 values
持ち込んだ磁性体
stringclasses
6 values
患者の食物アレルギー
stringclasses
3 values
処方された薬剤
stringclasses
4 values
専門分析班の議論
stringclasses
96 values
発生場面
stringclasses
4 values
使用した医療機器
stringclasses
4 values
背景要因の概要
stringclasses
8 values
区分
stringclasses
3 values
詳細
stringclasses
12 values
参照
stringclasses
3 values
画像
stringclasses
12 values
画像2
stringclasses
3 values
事例の分類
stringclasses
4 values
注釈
stringclasses
3 values
種類
stringclasses
8 values
研修医の情報
stringclasses
18 values
発生要因
stringclasses
20 values
注射箋「ソル・メドロール250mg+生食100ml」の処方であったがソル・メドロール125mgの溶解液1本にエクサシン1Aを入れてしまった。
業者から薬剤をもらい、至急調剤し病棟にあげなくてはならなかったという状況と、慌てた気持ちがあった。ソル・メドロールの置場の小箱に間違ってエクサシンが入っていた。
・調剤時は慌てずに行う。 ・返品の薬を戻すとき充分注意が必要であるため、職場で再度統一し、必要であればダブルチェックなど行う。
調剤
薬剤間違い・取り違え
注射薬の払い出し業務で、プラスアミノ500mlを払い出すところソルデム3A500mlを払い出していた。看護師が点滴実施前の薬剤確認で間違いに気付いたので、患者には実施されず影響はなかった。
15時30分以降に各病棟から内服処方箋と注射処方箋が集中し、払い出し業務が中断した。薬剤師が、1名休暇であること、金曜日は、土・日曜日の薬剤の払い出し等が重なり気持ちに焦りがあった。
・注射薬の監査を行って払い出しすることを検討する。 ・業務を中断したときは、最初から実施する。 ・病棟では、実施前の薬剤のチェックを継続する。
調剤
薬剤間違い・取り違え
エスポー750シリンジを3本交付すべきところ、グランシリンジ75を3本交付した。看護師が注射準備時に薬剤を確認し、間違いに気付き薬剤部へ連絡した。その後正規の薬剤と交換した。
両方とも冷所保存であった。形態がシリンジタイプで類似していた。外包が似ていた。
・監査機構の強化。冷蔵庫内の置き場所の工夫。 ・薬品棚の表示を大きくし、目立つようにする。 ・外包のデザイン、色彩等、もっと解りやすいように工夫(メーカー側)。
調剤
薬剤間違い・取り違え
使用済み注射薬の請求注射箋に硫酸アトロピン注の記載があったが、アタラックスP注を調剤し、病棟に払い出してしまった。病棟看護師が発見して薬剤科への報告となった。
使用済みの注射薬請求には、両薬品とも頻繁に処方される医薬品のため完全に思い込んでしまい、確認も不十分であったため、誤って調剤し、払い出してしまった。
・忙しい時間での調剤であり、調剤後すぐに監査した状況でもあるため、急ぎの処方でなければ使用済み注射薬の調剤は時間をおいて、ゆとりが出来た時間に行うことにする。
調剤
薬剤間違い・取り違え
連休中、薬剤師がパントシン分3をパナルジン分3と間違えて、調剤し、病棟に払い出した。受け持ちの看護師が患者に配薬時、間違いに気付き、患者には配薬されることなく、薬局へ返納、再度パントシンが処方された。2週間分の処方であり、気付かないままパナルジンが分3で配薬されていたら、出血傾向など新たな副作用が出現する可能性がある。
平日は薬剤師2名でダブルチェックすることとなっているが、休日、祭日は薬剤師1名の体制であり、ダブルチェックがされない現状がある。
・休日、祝日など薬剤師1名体制の時は、薬を取りに来た看護師とダブルチェックする。 ・調剤して直ぐ払い出すのではなく、しばらく時間が経過した後再度、声出しで自己確認をして、ダブルチェックして払い出す。
調剤
薬剤間違い・取り違え
ウラリット72錠が処方されていたがグリチロン72錠を調剤した。監査薬剤師も気付かず患者に手渡された。翌日、患者から薬剤部に電話があり発覚。その日の午後患者宅に伺い謝罪してウラリットを手渡した。患者は薬を飲んでいなかった。
ウラリットとグリチロンは隣同士に並べてあり、またウラリットのほうが処方頻度が高い。
・グリチロン、ウラリットの場所を変え、また薬剤名が目立つよう大きなラベルを貼った。 ・調剤する際には必ず薬品名と処方箋を照らし合わせ確認を怠らない。
調剤
薬剤間違い・取り違え
頓用として処方されたボルタレン25mgの錠剤を座薬と思い調剤した。監査者も座薬と思い込んで通してしまった。患者に渡してしまった。翌日、処方医から連絡がありミスが発覚した。患者は座薬を使用しておらず、すぐに錠剤と交換した。担当薬剤師が調剤ミスの説明をして謝罪した。
内服の痛み止めも別に処方されていたため、頓用のボルタレンは座薬と思い込んで調剤してしまった。処方箋をよく見るべきであった。思い込みで払い出された座薬をそのまま疑いもせず監査してしまった。
・処方箋をよく読んで調剤する。 ・内服の痛み止めが出ていても、頓用として内服薬が処方される場合もある、と認識して調剤し、思い込みで決まった手順として仕事をこなさない様にする。 ・常に気を引き締めて、漫然と監査しないこと。
調剤
薬剤間違い・取り違え
いつものミオナール錠に違う錠剤が入っていたと薬局窓口に来られた。処方された薬であったが、患者が自己調節して服用していたため、残薬が多くあり、発見が2ヶ月後になった。「メチコバール錠」が入っていたが、違うことに気付き、まだ服用されてなかった。
両方ともに同じメーカーで21錠シートの抱き合わせで棚に入れているため、裏面がよく似ている。監査でも裏面のみ確認し、表を見なかった。
・同じメーカーの薬はシートがよく似ていることを認識し、表裏を見ること。
調剤
薬剤間違い・取り違え
プレドニゾロン錠を入れるところにプルゼニド錠が入っているのを監査で発見した。
薬品名が似ていること、棚が上下に配置してあること、両方ともよく使用する薬品であること。
・2つの薬品の棚の間にあまり使わない、色が黄色の「フラビタン錠」を配置した。
調剤
薬剤間違い・取り違え
入院臨時処方箋において、アンプラーグ(血液・体液用薬)を21錠調剤するところ、誤ってアプレース(胃炎・胃潰瘍治療薬)を21錠調剤してしまった。投薬前に病棟看護師が発見し患者は未服用だった。入院担当薬剤師が病棟に確認に出向き、薬剤を交換し丁重に謝罪した。
薬品名や薬剤シートが類似していたため、調剤者・監査者はアンプラーグをアプレースと思い込んでしまった。調剤者は処方箋の横に記載される棚番を確認せずに調剤してしまった。
・アンプラーグとアプレースは過誤を起こしやすい薬剤である事を再認識する。 ・薬品の棚番を処方箋で確認して調剤する。
調剤
薬剤間違い・取り違え
錠剤2種の1包化処方において、アナフラニール(10mg)を調剤すべきところトフラニール(10mg)を調剤した。患者がいつもの薬と色が違うことを担当看護師に指摘し、それを病棟担当薬剤師に質問し、薬剤コードを調べたところトフラニール(10mg)だった。薬剤師が入院調剤室に戻り処方箋を確認後、直ちに再調剤し病棟へ出向き、正しい薬剤を渡し謝罪した。患者は未服用だった。
前回処方でトフラニールを含む過去歴が、自動錠剤分包機に記録されており、調剤者は処方箋と過去歴の照合の際に含有量や用量に気を取られ、今回類似した薬剤名のアナフラニールに変更されていることに気付かず、前回処方をそのまま使用してしまった。分包後の確認時、調剤者と監査者は処方箋と分包機の監査用紙との照合を怠り、監査用紙のみで錠剤の監査を行ってしまった。
・過去歴を使用する際は、処方箋と分包機の過去歴を照合し、薬品名、規格、用法、用量が正しいことを確認する。 ・分包後の確認では、調剤者・監査者は処方箋と監査用紙が相違ないことを確実に確認し、その後1包中の個々の錠剤の監査を行うことを徹底する。
調剤
薬剤間違い・取り違え
本来セルテクト錠を調剤すべきを間違えて、ジルテック錠を調剤した。
オーダリングのシステムが始まったばかりで処方箋の文字が小さくて見えずらかった。皮膚科の処方でジルテックの薬が続いて、反射的に出してしまった。基本の3回確認を怠った。他薬剤師によるダブルチェックを怠った。思い込みがあった。
・オーダリングでの処方箋の文字を大きくする事を業者に依頼する。 ・思い込みをしない為に声出し、指差し確認を徹底する。 ・検印時の確認の強化。 ・基本的な3回確認の徹底。
調剤
薬剤間違い・取り違え
調剤監査を行っているとき、ガストロピロールが調剤されていなかったので、監査者が薬を追加し出したが、ガストロームを出し間違いに気付かないまま外来患者に手渡した。患者より間違いと連絡があり発覚した。
薬剤名の最初の4文字が同じであった。保管位置が近かった。監査者が、調剤を行った。
・保管位置を離した。 ・頭4文字に強調線引き注意を促せるよう実施。 ・監査者が、異常を発見した際は、調剤者に戻し改善後、再度監査を行う。
調剤
薬剤間違い・取り違え
ツムラ半夏瀉心湯の処方に対し、ツムラ半夏厚朴湯を調剤してしまい、監査でも気付かず病棟に払い出してしまった。病棟看護師も気付かずに患者に渡してしまい、患者からいつもの薬ではないと指摘され、間違いに気付いた。
類似名薬品。多忙な時間で、調剤中に電話対応して作業が中断した。
・漢方薬は似た名前が多いため、薬剤につけられている番号も必ず確認する。 ・調剤中の電話対応はできるだけ避ける。
調剤
薬剤間違い・取り違え
院内処方で、ザジテン点鼻液2瓶のところを、ザジテン点眼液2瓶を調剤し鑑査者も気付かず払い出してしまった。本人より点眼ではなく点鼻であることを指摘され、間違いに気付いた。謝罪し、点鼻薬を渡した。本人は点眼薬を使用していたが、体調には変化はなかった。
ザジテンは点鼻液より点眼薬を払い出すことが多いため、自分の中で思い込みがあった。また、同じ処方の中にリボスチン点眼液2瓶の次の処方にザジテン点鼻液2瓶という処方だったため、どちらも点眼液であると思ってしまった。自分なりに処方上注意するところは印を入れるようにしているのだが、今回間違った部分には入っていなかった。
・規格や剤形が多いものは印を入れるとともに用法を確認して点眼か点鼻かの違いを見分けるようにする。
調剤
薬剤間違い・取り違え
医師はヒューマカート注のカートリッジを処方したが、受けた調剤薬局がヒューマカート注のキットを患者に渡した。医師と患者が話をしていて間違いがあったことに気付く。
マスターの設定は薬価の記載通りであったが、単位を「本」としていたため、カートリッジともキットとも、とれた。
・全てのヒューマカート注にカートリッジと名称を付けて単位を「筒」に変更した。
調剤
薬剤間違い・取り違え
ラキソベロン1本のところをイソジンガーグル1本で調剤し払い出してしまった。患者がそのまま持ち帰られ、自宅にて薬が違うことに気付き連絡があった。患者は使用する前であった。
ちょうど処方の多い時間帯であり、監査時に外来処方と緊急処方とが溜まり、慌てて監査した。また、窓口での患者対応や調剤のやり直しなども重なったため、監査に集中できていなかった。薬品の取り違えに関しては、薬品の外観のイメージが似ていることや棚が近かったことから、取り違えしやすかったのではないかと思われる。本調剤時は、血液病棟の定期調剤と重なった時間帯であったため、「ラキソベロン」の引き出しから取り出したつもりが、その引き出しの上の位置にある、血液内科処方に汎用されている「イソジンガーグル」に思わず手がいったと考える。
・思い込みで調剤、監査せずに、処方せんと薬剤情報提供書と薬袋とを十分確認する。 ・ラキソベロンとイソジンガーグルの棚を離す。 ・監査する処方の多い時間帯には監査の人数を増やして慌てないようにする。 ・今後はマニュアル通り一度テーブルに置き、処方と薬剤を確認後薬袋に入れることと、イソジンガーグルは別位置において調剤したほうがよりベストと考える。
調剤
薬剤間違い・取り違え
インクレミンシロップ1.6mlの処方箋を調剤する際に、誤ってトリクロリールシロップを調剤した。監査者もこの間違いに気付かず病棟へ送付した。看護師が病棟で確認する際に間違いに気付いたため投与には至らなかった。
インクレミンシロップとトリクロリールシロップは、色が橙色で似ており、調剤者が秤量の際に取り違えた。監査者は思い込みから薬液の量のチェックにのみ注意が集中した。
・設置場所に類似注意の表示を行った。 ・オーダリングシステムとリンクした薬剤の監査システムの設置が必要である。
調剤
薬剤間違い・取り違え
入院患者の1包化された薬の中に、本来はアダラートCR(降圧剤)1錠のみ分包されるところ、患者に処方されていないロキソニンが1錠含まれて分包されていたのを、病棟看護師が内服前確認の時に発見した。誤って分包されたのは1袋のみであった。この患者は認知症があり日常動作は全介助であるため、内服薬の間違いには気付くことはできなかった。内服による胃への負担の可能性とその発見が遅れる可能性があった。
1包化された薬の監査を行なう時に発見できなかった。自動分包機の不具合の可能性。また、当院は全て院内処方であり、処方数も多い上に、服薬指導の件数が増加しているため1名が病棟担当となった。そのため一人当たりの監査数が増えており集中力への影響が出た可能性がある。
・時間的切迫の状況把握調査の開始。 ・自動分包機の調査を業者へ依頼。
調剤
薬剤間違い・間違った薬剤の混入
返品薬のデュプリバンの中にアルブミンが混入していたのに気付かず返品してしまった。デュプリバン3個払い出した際もアルブミンが混入しているのに気付かず病棟の看護師が気付いた。
デュプリバンとアルブミンの包装がよく似ていたため返品処理を誤ってしまった。また、払い出し時に個々の名称を確認しなかった。色調が似ている。大きさ(紙箱)はアルブミンが少し小さい。
・返品薬は1個ずつ確認してから戻す。 ・手早く作業することばかりが先になっており、確実で丁寧な仕事をすることを心がける。
調剤
薬剤間違い・間違った薬剤の混入
入院患者の臨時処方箋でノリトレン25mg錠を42錠調剤するところ、25mg錠を32錠、10mg錠を10錠と、規格を混在させてしまった。翌日、病棟看護師からの連絡で判明、電話を受けた薬剤師が病棟へ行き10mg錠の混入を確認。患者は未服用とのこと、深く謝罪し25mg錠と交換した。
調剤者は、ノリトレン25mgの棚に誤ってノリトレン10mgが1シート混ざっていたのを、よく確認せずに2つの規格のシート同士を重ね合わせて調剤してしまった。監査者は、重ね合わせてあったシートの外側の薬品名・規格のみ確認し、内側のシートの確認を怠った。ノリトレン25mgと10mgのシートが類似している。
・調剤者は、特に2規格あるものやシートが類似しているものは、調剤する際によく確認する。 ・監査者は、取り揃えられた薬剤が同じ薬品名・規格であるかの確認を徹底する。 ・薬品棚に規格違いの薬剤が混ざっていた為、外来調剤室では、薬剤棚への返却並びに充填する際は薬剤名と規格に十分注意を払って返却、充填するよう伝達徹底した。 ・シートの包装変更をメーカーへ要請する予定である。
調剤
薬剤間違い・規格
退院処方、ファスティック(30mg)3錠分3、28日分のところを、ファスティック(90mg)を調剤し患者に渡していたことを、患者の指摘の電話により発見された。
2規格ある薬剤の棚に注意のシールを貼っていたので2規格あることは認識していた。2規格(30mg、90mg)を近くに配置している。調剤者と監査者で時間差でダブルチェックしているが間違いを発見できなかった。監査中に問い合わせの電話が入り業務が中断した。
・薬剤の監査者(監査中)は電話に出ない。 ・規格が複数ある薬剤の配置を検討する。 ・注意を促す表示を認識しやすいようにする。
調剤
薬剤間違い・規格
外来院内処方において、デパケンR100mg錠のところにデパケンR200mgを調剤した。
デパケンR100mgを一時購入薬として採用していることを忘れて、200mgと思い込んだ。新システムになってから、処方せん上で一時、臨時購入薬の区別が付かなくなり、複数規格採用している薬品の区別も付かなくなった。
・「お薬説明書」に印字される、錠剤の印字コードも自己監査の際に確認するようにし調剤した薬と照らし合わせる。
調剤
薬剤間違い・規格
ゼリットカプセル(抗ウィルス化学療法剤)15mgの処方であったが、20mgのカプセルで調剤した。監査でも気が付かず、払い出した。受領した看護師も用量の違いに気が付かず、患者に渡して内服してもらった。(自己管理)患者は、2回目に内服する際にいつもと違うことに気が付き、用量の間違いが判明した。
複数規格ある薬剤であった。注意ラベルをつけていたが、ラベルが奥まった所にあり、気が付かなかった。薬剤説明書に、この薬剤はまだ薬剤形状の写真が添付されていない。看護師は、見慣れない薬剤であり、自己管理をしてもらっていたこともあり、形状の違い、用量の違いに気が付かなかった。
・注意ラベルに気付けるよう、ラベルの位置を変更した。 ・薬剤説明書に薬剤形状の写真を添付することを検討する。
調剤
薬剤間違い・規格
抗がん剤は緊急以外は前日に薬剤を準備する。翌日使用する抗がん剤を準備する際、ドセタキセル40mg(20mg2本)で準備するところを80mg2本で準備をした。監査をする薬剤師もそのままOKを出しすり抜け、在庫確認のときに出庫の数と在庫の数が異なることで間違いが発見された。
抗がん剤は同じ戸棚の棚に入れられている。そこから取り出し時に80mgのパッケージを2個取り出してしまっている。パッケージ(大きさ・色)は、異なるため全くの思い込みと考える。
・抗がん剤に関しては病棟、外来への払い出しまでに何度か確認がある。薬剤準備→監査→在庫確認→ミキシング前の確認(2名で)→ミキシング時→空アンプルの確認。 ・しばらくはこのままで様子を見て、今後抗がん剤の調剤に関したインシデントが提出された場合、改善策を考える。
調剤
薬剤間違い・規格
抗痙攣剤100mg1錠を1日3回服用の指示であったが、薬包の記載が200mg1錠になっていることを看護師が発見。薬剤科に確認の結果、調剤ミス(1錠200mgで調剤)が判明。24日間間違いに気付かず、誤った量で与薬されていた。投与量として許容範囲内であった。
薬剤科のコンピューター入力ミス。通常は200mgで処方されることが多いため、思い込みがあった。2回処方箋が出されていたが、2回目も容量の間違いに気付かなかった。最終監査でも間違いに気付かず、病棟に払い出した。病棟看護師も気付かなかった。
・コンピューター入力前後の確認の徹底。 ・特に2種類以上の規格が採用されている薬の調剤時には注意する。 ・病棟側では、薬剤科から薬を受領時に、確認を注意深く行っていく。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
研修医がタケプロンを処方する際、本来は1日1カプセルの薬であるのに間違って1日3カプセル毎食後で処方していた。この間違いに気付かず調剤し、監査もすり抜けて病棟に払い出してしまった。病棟でも気付かずに患者に与薬しており、3日後に他の医師が処方間違いに気付いて判明した。
電子カルテシステムに、投与量の上限設定がないため、警告が出ず、間違いに気付かない。監査者によるダブルチェックが有効でない。
・電子カルテのマスターで投与量の上限設定をする。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
アーチスト錠10mg、5mg、1日2回28日分との処方があった。処方はアーチスト錠10mgを1/4に分割し56包調剤するが、1/2を28包で調剤した。
5mgのみ目に入り、半錠と勘違いした。また、「至急病棟に送ってくれ」との電話があり、急いで自己監査を行なったが自己監査でも思い込んだ。
・至急病棟に送って欲しいとの電話が非常に多く焦って調剤する機会が非常に多いので、本当に至急以外は取りに来てもらう。 ・急いだ場合でも自己監査はできうる限り行なわない。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
ソラナックス錠1日4錠30日分で、120錠出すべきところ30錠しか入っていないと患者本人から連絡があり、間違いが発覚した。不足分を本人に渡した。
当日、薬剤部のコンピューターの故障があり、落ち着いて調剤や監査ができる状況でなかった。
・コンピューターダウン時のマニュアルの見直しをした。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
入院患者に処方された臨時処方において、セパミットR14包のところ18包調剤した。監査者も過誤に気付かず病棟に搬送された。与薬前に確認して過誤を発見した病棟看護師より電話連絡あり。当直者が処方箋で内容確認し、直ちに病棟へ向かい過剰の4包を回収し謝罪した。
セパミットRは15mg/包の分包品であり、4包が1枚綴りのシートとなっている。従って調剤者は14包調剤するために「3枚と2包」としたつもりだったが、薬袋の中に「4枚と2包」入れてしまった。監査者も「3枚と2包」として確認を行ったが、4枚綴りのシートが1枚多いことに気付かなかった。
・調剤者は細心の注意を払いながら調剤を行い、取り揃えた後にもう1度、処方箋・薬剤を確認することとし、また監査者も、調剤された薬剤につき丁寧に内容確認を行うことを徹底していく。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
小児にサワシリン細粒390mg(1日量)とピリナジン末0.5g(1回量)が処方されたが、処方監査でピリナジン末0.5gが過剰と気付かず投与した。日勤者が調剤途中と思った該当処方が既に監査を終え交付されていたことに気付き、再度内容を確認した際に、過剰投与に気付いた。その後、患者に連絡し交換した。
日勤者が非常に忙しい状況で、1処方ずづ調剤していなかったため、サワシリン細粒を調剤後、他の患者の水薬調剤を行った。その後、散薬監査台を通過したときに予包(予め数種類の薬を混ぜつくること)があるピリナジン末が表示されていたため、必要数を準備して薬袋作成機の横の机に置いた。その時点では、同一患者との認識はなかった。一方、出勤したばかりの遅出者はサワシリン細粒については年齢との監査を行ったものの、準備されていたピリナジン末が予包であったために思わず監査を怠った。
・特に散薬や水薬は、1剤単位でしか表示されないため、非常に忙しい時間帯であっても、処方箋を確認し処方の全体を確認する。 ・予薬剤は、散薬という認識をもって監査し、内容確認も散薬に準ずるようにする。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
ビソルボンシロップを原液のままメスアップ(溶媒添加)せずに払い出した。年末年始のため、調剤後保冷庫で保管し、交付時にメスアップし払い出す手順であった。病棟でも気付かず、患者が通常より2倍量を1回分服薬し2回目の看護師によって発見された。患者への影響はなかった。
検薬者が、新人で長期休暇の手順を周知していなかった。新人への教育不足。検薬不備。透明水薬だった為、半量に気付かなかった。看護師の日付入れ間違いと投薬時の確認不足。
・メスアップ手順の周知徹底。 ・水薬セット(目盛入れ)は薬剤師・看護師2人で行う。 ・投薬時の確認行為遵守。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
病棟看護師から、タンデトロン注(降圧剤)を生理食塩液で溶解し、全量24mlにするところ19mlしかなかったと電話で報告あり。看護師の確認段階で発覚し患者投与前だった。薬剤は看護師が新たに調製し投与したとの事。連絡を受けた担当者は病棟へ出向き、事実関係の確認と謝罪を行った。
当処方は、タンデトロン注(粉末:1アンプル20µg)を生理食塩液で溶解、全量を24mlとし、シリンジで供給する調製を行う(同内容は処方箋上2件あり、当過誤はそのうちの1件である)。調剤者は薬剤溶解に気を取られ、シリンジの目盛“19”を“24”と思い込み、更に最終的な全量確認を怠った。又、監査者も最終の全量確認を怠った。
・最終的な全量確認の方法を再度見直す事とした。 ・まずシリンジの目盛を指差し確認する事、そして調製薬と処方箋、シリンジに添付するラベル(患者名、薬剤名、用量、全量を記載)と比較し最終確認を行う事とした。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
点滴静注用ゾビラックス250mgを4バイアル供給すべきところ、2バイアルしか供給しなかった。病棟で看護師が確認中に発見。
該当薬品のカセットの調子が悪く、トレー内の薬剤が不足していたため、不足分を補充したときに3バイアルセットすべきところ、誤って1バイアルしかセットしなかった。
・一度、イレギュラーな処理を行った後は、再開時に注意する。
調剤
薬剤量間違い・計量、計数
ヒューマログミックス50注、朝14単位、夕8単位のところ朝14単位、夕18単位で入力していた。外来受診があり処方箋の再発行をした所単位の間違いに医師が気付き、薬局に指摘があり分かった。薬袋に間違った単位の印字がされており患者に投与量の確認を実施。家族投与にて間違いなく実施されており影響なかった。また、検査を実施、投与量の変化のなかったことを確認した。
2枚あった外来処方箋を1枚に書き換えたとき入力ミスをした。
・入力、処方箋監査の確認を徹底する。
調剤
薬剤量間違い・単位
オメプラールが全50日の処方のところに、20日分しか調剤せず、患者に渡してしまった。
他の薬剤が投与日数にばらつきがあり、混同した。
・処方監査する際、注意すべきところにチェックを入れ、最後に確認できるようにする。
調剤
薬剤量間違い・日数
調剤者は酸化マグネシウムを3日分調剤するところ7日分調剤してしまい、監査者もミスに気付けなかったため、間違った日数分が病棟に搬送されてしまった。薬剤を受け取った病棟担当看護師が投薬前に数量を確認したため、調剤日数の間違いに気付き連絡してきた。直ちに薬剤師が病棟に出向き謝罪し、看護師より4日分を回収した。
調剤者は臨時処方のため、処方日数の確認を怠り、7日分と思い込んで調剤した。監査者は薬剤名に気を取られてしまい、調剤日数が間違っていることに気付くことができなかった。
・調剤者と監査者は処方箋上の薬剤名、用法用量を確認することに加え、処方日数の確認を徹底する。 ・また、調剤者と監査者は、薬袋に薬剤を入れる前に薬袋のラベルに記載されている薬剤名、用法用量と、手にしている薬剤名、用法、数量が一致しているかどうか、もう一度確認することを徹底する。
調剤
薬剤量間違い・日数
コンスタン2錠、ドグマチール1錠分2の処方で朝2錠、夕2錠の不均等分割が指示され、調剤時に各朝2錠、夕2錠で機械により包装され、気付かず調剤し病棟に払い出された。翌日病棟より錠数が違うことが発見され交換する。システム管理に確認し、システム側のエラーであることが分かり、対応してもらった。
指示書の記載が誤っている場合は、監査者が誤りに気付くのは非常に困難である。機械にも誤りが生じることを再確認した。
・不均等入力が適正に出来るようなシステム対応。
調剤
薬剤量間違い・分包
ジプレキサ錠の粉砕で7包に分包すべきところ21包に分包し、監査も通過し病棟へ搬送されてしまった。服用前に病棟担当看護師が気付き入院調剤室に連絡したため患者は未服用だった。直ちに再調剤を行い、病棟へ出向き薬剤を確認後、正しいものと交換し謝罪した。
分包者・分包監査者ともに、ジプレキサが通常1日1回服用の薬剤であることに気付かずに1日3回で分包してしまった。薬袋のラベルでの用法の確認を怠ってしまった。
・分包と分包監査をする際、薬剤の特徴を把握した上で処方箋記載の薬剤の用法に十分気を付けて分包を行う。 ・分包後、薬袋ラベルの用法から包数を必ず確認する。
調剤
薬剤量間違い・分包
フェノバール散7gを秤量し、14包に分包すべきところ7包に分包し病棟へ搬送されてしまった。病棟担当看護師より薬剤が7包しか入っていないと電話連絡が入った。与薬前に発見されたため患者は服用前だった。直ちに再調剤を行い、病棟で薬剤を確認後、謝罪して正しいものと交換した。
分包者は分包時に1日量の1gが目に入り、それを1日の回数と勘違いし7包に分包してしまった。分包前・分包後の用法の確認を怠った。分包監査者は処方箋で1g7日分を7包と思い込んでしまった。及び薬袋ラベルでの用法の再確認を怠った。
・分包者と監査者は、処方箋と薬袋ラベル両方での分包数の確認を行う事を徹底した。
調剤
薬剤量間違い・分包
薬剤部から臨時注射の払い出しを行なう際に、A病棟の患者の注射BOXに、B病棟の患者の注射の一部(手術の前投薬のペンタジンとアタラックスP)を間違えて入れて払い出した。
複数の注射の払い出し準備中であった。アンプルは自動払い出しシステムだが、ペンタジンが金庫に保管してあるため、前投薬のみを後でBOXに入れた。その際、間違ったBOXに入れてしまった。確認が不足していた。作業の中断があった。
・5RRightDrug、RightDose、RightTime、RightRoute、RightPatientでの確認作業。 ・複数チェック体制。 ・指差し確認。 ・一つのボックスの払い出しを中断せず行なう。 ・払い出し時の3回確認。
調剤
患者間違い
夕食後の薬(プルゼニド1錠)の払い出しを忘れてしまった。食事介助をしていた看護師が夕食後の薬の無いことに気付き、処方内容をチェックして準備と投薬を行った。患者には直接問題が生じなかったので、説明はしなかった。
現在、当日無くなる予定の薬剤を処方箋の3枚目に付いているチェック表にて判断し、“処方依頼→調剤→カートと詰め”を行っている。今回は退院予定の患者であったため、チェック表である3枚目で処方依頼をした後にファイルよりチェック表を取り外してしまった。その後退院が延期となり、チェック表も取り外したまま放置してしまったので、当日に薬剤が無くなることを把握できなかった。実際に当日無くなる薬剤の把握をチェック表に頼っていたため、今回チェック表が取り外されている事にも気付かず経過し、薬剤の補充ができなかった。
・チェック表だけに頼らず、カートの中身を見て薬包が入っているか、実物を見て判断していく方法を取り入れる。 ・チェック表とカートを必ずチェックするようにする。
調剤
交付もれ
バクタ顆粒4g分2の成人処方において、薬袋の記載が「1回2包」となっていた。これを見逃してしまい、病棟から「包数が足りない」との指摘で発覚した。本来は「1回1包」であり、調剤もそのように行われた。
処方オーダーから薬袋印字機への情報に必要な「薬品マスター」の設定が違っていた。
・「薬品マスター」の設定変更、「1回1g」から「1回1包」へ変更した。 ・薬袋の記載の確認。
調剤
薬袋・ラベル間違い
病棟で薬局より払い出された定期薬整理時、朝1回処方指示の患者の薬が朝・夕と2包になって薬袋に入って払い出されているのを発見。
数回に渡り、服用変更指示があった際のコンピューター入力間違い。調剤時の処方箋確認不十分。調剤後の処方箋と薬の照合確認不十分。監査不十分。
・コンピューター入力後の処方箋指示との確認実施。 ・処方箋確認後調剤する。 ・調剤後の処方箋と薬の照合確認実施。 ・確実な監査実施。
調剤
薬袋・ラベル間違い
外来通院にて「ジゴシン散(強心薬)0.1%、0.2mg分1夕にて毎日内服」の指示が出されていた。受診後28日分が処方され、患者は処方薬を持って帰宅した。再診のときに、患者からジゴシン散0.1%の散剤の量にバラツキがあると指摘を受けた。薬袋を確認すると目視でも量が多い・少ないが認められた。
自動分包器で自動センサーをONにしていると、バラツキが激しくなることがあるため、ジゴシン散0.1%はセンサーをオフにしている。分包された後は、薬剤師が目視による確認をしている。この2点は、薬剤師間では情報交換しルールとしていたが今回は行われなかった。分包を担当する薬剤師が専任するようにしていたが、この日は他の業務を兼務していた。担当する薬剤師が分包業務以外を兼務することによりルールを忘れることがある。
・自動分包器に「ジゴシンはセンサーをオフにする事」と明記した。 ・また分包担当薬剤師は「ジゴシン散0.1%は分包後目視確認をする」と注意を促した。
調剤
分包器の故障・不具合
「ワーファリンを『粉末』で入力したのに『錠剤』で調剤されていた」と医師から指摘があった。この患者は、以前に飲み間違いがあったので、全て粉末にしてほしいと希望があった。
院内約束で「錠剤の端数は粉末とし錠剤はそのまま調剤すること」となっていたので院内約束調剤をしてしまった。ワーファリンは状態変更時に服用用量が変わるので、出来るだけ錠剤のまま調剤していた。ワーファリンは、粉末では苦味があり患者からの苦情が多かったので固形で調剤していた。
・院内約束製剤を基本として調剤することが前提であるが、こうした場合、処方医の意向を確認して調剤する。
調剤
その他
フラビタン点眼液を処方した際、期限切れのものであった。
棚卸しの際、新品の箱(10本入り)の有効期限はチェックしたが、残っていた2本の点眼液の有効期限を見逃した。
・棚卸しの際、箱から出したバラの薬品の有効期限もチェツクし、期限の短いものは薬品棚に表示し、投薬時にも確認するよう徹底する。
調剤
その他
特定生物由来製品「ベタフェロン」はロット番号を記入する報告書を添付して調剤しなければならないが、添付するのを忘れてしまい。病棟で使用の際もロット番号を確認せず、患者に使用してしまい、使用ロットが不明になってしまった。薬局で使用ロットの入力の際、報告書が出ていないので病棟に確認して発覚した。
特定生物由来製品の払い出しはルールは認識していたが、確認者当人の記憶に頼る不確かなもので、システム的なチェックがとられていない。特定生物由来製品の報告書がプリントされているプリンターが2部屋とも離れていたところにあり、意識することが困難である。薬局が添付し忘れたときに病棟でカバーできるシステムがない。
・調剤者の前に薬品を取り揃える助手の使用する用紙に、特定生物由来成分薬品が払い出し対象になった場合、該当報告書をその時点で添付する。 ・特定生物由来製品の棚には「特定生物由来製品」の短冊をつけ、払い出しの際の注意を喚起する。
調剤
その他
薬を整理していた時、冷蔵庫に退院時のインスリンが残っていたのに気付いた。同時に処方されていたペンニードルと内服薬は残っていなかったので、冷蔵庫保存のインスリンのみを渡していないことが分った。直ちに患者に連絡したところ、「病院からもらったインスリンを退院後も使っていた」と言われ、退院処方で出されたインスリンをもらっていないという認識がなかった。おそらく入院中に使っていたインスリンをそのまま使っていたと思われたため、事情を説明したところ「近々来院の予定があるので、そのときでかまわない」と言われ、次回渡すことにした。
渡し漏れ、確認不足、置き忘れの薬の取扱いの不徹底。今回のインシデントの要因として、冷所保存の薬を保管するときは、他に室温保存の薬がある場合、その旨を書いた所定の用紙を室温保存薬に貼付することになっているが、その用紙が保管している棚の引き出しに貼ってあったため冷所保存薬の存在に気付かなかったものと思われる。また、同一患者で退院処方が2日間にわたって出されていたことも要因の1つと考えられた。
・置き忘れの薬の取扱いを再度スタッフに確認、徹底した。
薬剤
薬剤間違い
不整脈の治療に対しキシロカインの点滴指示があった。指示簿に「1%キシロカイン100ml、2バイアル」と記載してあった。この薬剤は局所麻酔用のキシロカインであったが、看護師は気が付かず薬剤を請求してしまった。患者投与前のチェック時に局所麻酔用のキシロカインを請求していたことに気付いた。
オリベスK(抗不整脈薬剤)を採用する前は、不整脈治療に対し10%キシロカインを使用していた。透析センターではオリベスKを使用している患者がいなかったため薬品が変更されていたことを忘れていた。
・オーダ時に画面に警告文の表示を検討するよう薬剤部に依頼した。
薬剤
薬剤間違い
患者に生食500ml負荷の指示があり、注射薬液棚から生食500mlのボトルを取り出し、チェック表の記入のため、棚の中へ一旦おき、記入後再度ボトルを取り出した。そのまま患者の点滴につなげた。他の勤務者が生食ボトルでなく蒸留水のボトルであることを発見した。150ml注入した。すぐ主治医に報告、様子観察、患者には異常みられなかった。
確認不足、思い込み、マニュアルを実施しなかった。確認を薬剤でなく、患者の名前ばかり確認していた。
・マニュアルの実施、患者の名前だけでなく薬剤のチェックを必ず行う。
薬剤
薬剤間違い
脳梗塞患者にヘパリン2000単位指示するところ、1mlを100単位と勘違いして10倍の2万単位を指示してしまう。1mlが1000単位と気付き、上級医師より中止指示あるもすでに投与していた。
研修医の薬剤指示事故防止教育の問題。電子カルテ指示画面企画上の問題。
・リスク勉強会で薬剤指示入力単位間違いについて情報を共有して事故防止の意識を高めた。 ・電子カルテにヘパリンを入力時、41単位以上で「多いです」とワーニングが出るようにした。
薬剤
薬剤量間違い
大腸癌術後再発の患者に化学療法を施行する際、医師は抗癌剤(アイソボリン)の投与量を病院薬剤師に確認したところ、海外での投与量を報告されたため、予定の倍の量を投与してしまった。
医師は自分で文献等を確認せずに、薬剤師に聞いて誤った量を指示してしまった。薬剤師は文献で確認して報告したが、海外での投与量が記載された文献を見て報告してしまい間違いが生じてしまった。
・医師は抗癌剤の投与量を確認する際に、薬剤師とともに文献を確認して、しっかりと正確な投与量を決定、指示するようにした。
薬剤
薬剤量間違い
肺炎にて入院された2歳の児に対して、抗生剤ダラシン550mg(体重あたりの量の約4倍の量、重症感染症としての最大投与量を超える量)静注した。同日、誤りに気付いた。この間、児には特に症状はなかったが、モニター装着管理を開始した。その後小児医師と呼吸器医師へ報告した。その後医師たちと共に、今回の件につき、母へ説明した。
通常であれば、オーダー指示(手書きのもの)とコンピューターでの転記の両方を小児科医が行うが、今回はコンピューターでの転記を研修医が行い、ダブルチェックの機能が働かなかった。
・オーダー指示(手書きのもの)とコンピューターでの転記をすることの両方を小児科医が行い、ダブルチェックの機能が働くようにする。
薬剤
薬剤量間違い
夕食前インスリンの準備を3人分処置台の上でしていた。準備の際他患者の伝票を見ており、4単位施行のところ7単位施行してしまう。伝票はベッドサイドまで持参しなかった。
3人分の投薬指示票を一度にもっていった。
・個々の患者用に1注射1トレイに用意する。 ・伝票はベッドサイドまでもって行き氏名、単位、薬品名の確認をする。 ・薬剤は詰所で準備してもって行く。
薬剤
薬剤量間違い
化学療法中の患者。薬剤師面談時に、化学療法施行日の夕食後のみに内服するデカドロン(ステロイド剤)を8錠内服していることに気付いた。既に6日分内服済みであった。残薬を回収し医師に報告した。有害事象はなく、経過観察の指示を受けた。
化学療法の説明は前日に行っているが、その際に内服薬についても用法容量を説明し、配薬を行った。当時は面談せず内服確認のみを看護師に申し送った。薬剤師の説明不足、及び患者の思い込みだったと思われる。
・1回内服分を一包化して渡す。 ・内服時刻に看護師から与薬する。 ・配薬はなるべく当日に行う。 ・患者に説明をする際に、十分理解していただけたかを確認する意味で、患者本人に用法用量を言ってもらう。
薬剤
方法間違い
2A病棟からB病棟へ移動後、生食250mlサンディミュン(免疫抑制剤)250mgを10ml/hで開始の指示があった。次の日、骨髄移植施行、その間もサンディミュンの投与を続けていたが、深夜で投与量と比較し残量が多いことに気付き正確に投与されていないことがわかった。
点滴投与を輸液ポンプに頼り、設定量やトラブルの確認は行うが、残量をチェックし予定通り点滴が減っているかを確認できていなかった。残量が予定より多いことに対する疑問や気付きをもっていなかった。輸液ポンプから滴下はされていたが、薬剤に粘度があるためカウントがきちんと行われず、正確に設定量がを注入されていなかった。
・各シフトで残量チェックを行う。 ・マニュアルに沿って接続部のチェック、設定量、流量、予定量をチェックする。 ・輸液ポンプを滴落下検知器が付いているものから付いていないものに換えた。 ・再度免疫抑制を投与する意味、目的を認識する。
薬剤
速度間違い
医師より抗がん剤の投与中止の連絡を受けたが、患者IDと患者氏名をメモに記載するところ、医師氏名を記載してしまった。当日、メモに該当する患者氏名は見当たらず、製剤室の担当者は抗がん剤を無菌調製し、病棟へ搬送した。その後病棟看護師より電話があり、中止の連絡をしたものが搬送されてきたとのクレームあり。メモを確認し、患者IDよりオーダーを参照したところ、氏名の間違いが判明した。
端末画面上で患者氏名を写したつもりが、医師氏名を記載していた。
・連絡を受けた際、連絡してきた医師氏名、患者氏名、中止した薬剤名をきちんと確認し、専用の中止連絡表に記載する。 ・注射臨時処方が自由に削除でき、削除後は参照できない。 ・必要に応じて削除したものを確認できるシステムが望ましい。
薬剤
対象者間違い
指示はジゴシンエリキシル(強心剤)0.5ml(分2)を胃管から投与だった。看護師は薬剤準備のため処方箋を見て冷蔵庫から薬液瓶を取り出した。ラベル(1回量1/1ml)を見て、シリンジで1.1mlを吸い上げ胃管から注入した。患者の経過表にジゴシンエリキシル投与を記載した時、前回投与量が0.25mlだったので処方箋を確認した。指示は1回量0.25mlであり、薬液瓶を確認し他患のジゴシンエリキシルを投与したと気付いた。
薬剤準備時、薬液瓶の患者氏名を見ていない。処方箋と薬液瓶を照合して患者氏名・薬剤名・投与量を確認していない。当事者は準夜勤務で3名の患者を担当していた。担当していた患者が緊急手術となり手術室へ搬送した。ジゴシンエリキシル投与が遅れていたため焦った行動となり、与薬業務の確認行動を省略した。
・いかなる状況でも安全を意識した行動をとっているか自問自答する。 ・師長、主任は当事者が安全に業務遂行できているか評価する(約2週間)。 ・2回面接を行い、毎回確実に確認行動を取っていけるか、安全に業務を実施していく上で自己に必要なことは何かを明確にする。 ・ジゴシンエリキシル等重要薬剤の取扱いを誤ると致命的な結果を引き起こす危険性を指導した。 ・看護師として責任の取れない事態に陥ることにつき例を挙げ説明した。
薬剤
対象者間違い
癌にてオプソシロップ(モルヒネ薬)内服中の患者が療養型病棟へ入院。疼痛時オプソシロップの指示あり。介護福祉士が臨時薬のオプソシロップを薬杯に入れようとしたところ、専用の薬杯は洗浄中で使用できなかったため、普通のコップに入れた。そのまま患者の所に行かず、仕事が中断。看護師にもオプソシロップであることを伝えなかった。そのため、看護師はコップの中身を破棄してしまった。薬局へ報告、所定の手続きで処理。患者への影響なし。
療養型病棟で麻薬を管理する時に、麻薬に関しては看護師が管理するが、内服介助は介護福祉士が実施する。今回の臨時薬の使用に関しては看護師に1本化するとしても、在宅では家族が実施しているので、定期的な内服の介助に関しては介護福祉士も実践してよいかについてマニュアルになっていなかった。
・麻薬に関して、内服に関するマニュアル必要、現在検討中。 ・当面の対策は、オプソシロップ専用の薬杯を多めにストックし、その薬杯はオプソシロップが入っているものとし、作業の中断はせず患者へ持っていく。 ・また、介護福祉士への指導を指導要綱に追加した。
薬剤
その他
抗悪性腫瘍剤を末梢血管より施行していた。この際点滴針と延長チューブの接続より少量液漏れあり、皮膚汚染したため、即点滴中止をし抜針した。主治医報告を行い反対側にルートを取り直し点滴終了となった。翌日も皮膚に発赤を認め軟膏処方された。
針と延長チューブ間の接続確認を怠った。
・医師が点滴施行時針と延長間との接続が確実に行われているか確認する。 ・テープ固定を確実に行う。 ・延長チューブのねじ部分をはずしておき固定後ロックをかける。
薬剤
その他
患者は肺炎が悪化しているため多数の抗生剤の投与がなされており、白血球をあげるノイトロジンも点滴には含まれていた。抗生剤投与終了後、ノイトロジンへと更新したが、その際ルートをフィルターの前へとつけかえることなく開始した。終了の点滴アラームによって他の看護師が訪室し、ノイトロジンがフィルターを通して投与されたことが発見された。
重症の患者であり、肺炎が悪化し多数の抗生剤がIVH(中心静脈栄養)ルートより実施されていた。白血球減少のためノイトロジンを実施したが、フィルターを通してはいけないことは知っていても、慌てていたためフイルターを通してしまった。経験1年目の看護師であり、患者の状態が良くないことで緊張していた。朝から点滴の多さと吸引や褥瘡処置、清潔ケアの多さからあせりと緊張があった。メンバーに力を借りる際はできるだけ最小限で迷惑をかけないようにと考え気持ちも落ち着いていなかった。
・当該病棟のみIVHフイルターを使用しているため、病棟内で確認のルールを決めていた。 ・慌てている時こそ、基本ルールを厳守することが重要である。
薬剤
その他
サンドスタチンLAR(抗ホルモン剤)20mgを注意書き通りに溶解すべきところ、バイアルに溶解液を注入後すぐに振ってしまい、溶解せず分離した。薬剤部・主治医に報告、新しい薬剤の準備と投与方法の確認を行い、投与は翌日に変更された。翌日、製薬会社担当者立会いの下、看護師が「サンドスタチンLAR筋注用の調製と注射方法」を参考に、担当者の追加助言を得て手順に従い病棟処置室で溶解。薬液入りバイアル・注射器を持参し病室訪室、患者側臥位保持後、看護師が薬液を注射器に吸引し速やかに筋注実施した。
使用手順の注意書きが付いていたが読まずに溶解した。皮下注用のサンドスタチンは使用したことがあり、筋注用も使用方法に大差ないと思い深く考えなかった。別途に業者が作成した「サンドスタチンLAR筋注用の調製と注射方法」パンフレットが病棟になかった。高価薬剤であること、溶解に熟練を要すること、特殊な注射方法であることの情報がなかった。
・薬剤に同封された説明書は必ず読むことを徹底する。 ・サンドスタチン20mgを作成、投与時は、製薬会社医薬情報担当者に立会いを依頼し、手技、手順を確実に行えるようにする。
薬剤
その他
塩酸モルヒネ(麻薬系鎮痛剤)の投与方法がシリンジポンプからPCA(自己調節鎮痛)ポンプに変更となり、新たな指示量の塩酸モルヒネをPCAポンプに設置した。その際、シリンジポンプから外した塩酸モルヒネ17.636mg(塩酸モルヒネ30mg+生食水30mlのうち残19.4ml)の入ったシリンジを、処置室の医療廃棄物入れに破棄してしまった。返却すべき麻薬を破棄したことを思い出し、休日だったため、翌々日に、病棟師長に報告し発覚した。看護部セーフティマネージャー、薬剤部麻薬担当窓口に口頭報告し、麻薬破損届、使用変更届を薬剤部に提出した。
麻薬の管理方法、返却の必要性は理解していたが、PCA(自己調節鎮痛)ポンプの設置が初めてであったため、接続ができたことで安心し、一連の作業が終了したと思ってしまった。
・麻薬管理は法律で定められていることと、その必要性につき当事者に指導・教育する。 ・麻薬管理方法につき当事者が言語化できることを確認する。 ・当事者が麻薬の取り扱いを習得できるまで、当事者が麻薬の返却に関わる際は、管理者若しくはリーダーがダブルチェックし、確実な実践ができることを確認する。
薬剤
その他
人工呼吸器を装着している患児。吸引の間も特にSPO2(酸素飽和度)の低下なく過ごしていたが、夜間、アラームの電圧低下の表示が出て作動停止した。すぐに当直医が電源を入れ直すと正常作動した。患児は入眠中であったが、特に変化はなかった。
低電圧による人工呼吸器の停止。バッテリー搭載の準備はしていたが、月末から翌月にしかバッテリーの購入が出来ない状態であった。上級の機種は救急科、ICU(集中治療室)にしか配置していなかった。
・バッテリー搭載の新機種の購入する。 ・現機種はバッテリー搭載がないため早々に搭載する。
人工呼吸器
電源
Tバード(人工呼吸器)の低圧アラームが鳴るため、回路・カニューレのカフなど空気漏れがないか点検したが、異常を発見できずTバードを交換した。その後、再点検するとウォータートラップ(水受け)が斜めに接続されており、接続部に隙間があった事がわかった。アラーム発生10分前に水抜きを行い、ウォータートラップを接続していた。最初の点検では、ウォータートラップを見ただけで、接続し直さなかった。
人工呼吸器の研修会は、新採用者には参加を義務付けているが、その他の職員は自由参加であり、2度・3度と参加するスタッフは少ない。
・ウォータートラップの水抜き、接続は慌てず慎重に行う。接続後は空気漏れがないか、音や換気量の変化に注意して確認する。 ・全職員を対象に、病棟内で人工呼吸器のトラブル内容に応じた確認場所、対処方法の知識や技術チェックを実施する。
人工呼吸器
回路
咳嗽があり、人工呼吸器回路内の水をはらい、気管チューブから吸引を行った。SPO2の低下を認め、主治医に報告しアンビューによる加圧を行った。血液ガス等検査及び酸素増量の処置でSPO2は改善したが、人工呼吸器のLOW(低換気)アラーム状態が持続し、ME(臨床工学士)へ点検を依頼した所「水受け」からの漏れと判明した。
バイタルサイン計測後、人工呼吸器のLOWアラームの点検をしないで吸引をした。痰が吸引されなかったので回路の水を捨てた。その間患者のSPO2が70%に低下した。アラームが鳴ったが正しい判断が出来なかった。水受けに触れたか否か当事者はパニックになってわからない。
・LOWアラームの表示が出た際は呼吸器回路の漏れ、特に水受けや各接続部、1回換気量をチェックする事を指導した。 ・LOWアラームの対応が判断できない時はスタッフの応援を求める事を指導した。
人工呼吸器
回路
人工呼吸器を慌てて組みたてた。その後は正常に作動していた。5時間後、回路内の水滴を除去しようとした際に、回路の組み方が違うことに気付いた。
教育体制が不十分であった。看護師は回路を組み立てる状況であった。
・チェックリストを使用した確認とME(臨床工学士)センターとの連携方法の検討を行う。
人工呼吸器
回路
人工呼吸器のアラームが鳴り、回路より普段聞かれない音(シューシューという空気の抜けるような)が聞かれた。その後患者のSPO2が徐々に低下したため、一度、酸素トラキベント(人工鼻)に変更し、回路を交換した。再度、人工呼吸器を作動させたところ異常なく作動した。その後、異常音のする回路を破棄してしまった為、翌日原因を解明することが出来なくなってしまった。
不明。
・回路の予備を常に病棟に準備しておき、異常の発生した場合にすぐに対応できるようにする。 ・また異常のあった場合にどのように対応するかをマニュアル化する。
人工呼吸器
回路
ニューポート回路交換時、チャンバー(加湿器の上皿)がずれたままになっていたため7時間加湿されなかった。
2人での回路交換時、チャンバーが回路に引っかかり外れた。この時押し込んだがずれたままになっていた。
・交換した看護師以外の看護師による点検を実施する。
人工呼吸器
加湿器
準夜途中から人工呼吸器のアラームが頻回であった。回路リークやカフエア漏れなどチェックしたが異常はなかった。自発呼吸がある患者であり、SPO2は100%に保たれていた。原因不明のまま深夜の看護師に交代した後、深夜看護師が1回換気量をチェックしたところ0であった。当直医に報告し原因不明だが、日中気管切開していたこともあり、カフの異常も考えられるため交換したところ、カフが破損していた。準夜の看護師は使用していた人工呼吸器の1回換気量のチェックの方法が分からず、対応できていなかった。
人工呼吸器の機種は2種類。事例の機種はニューポートe500ウェーブという新しい機種であったため当事者は知識が不足していた。また、人工呼吸器に関しては、1回換気量はチェック必須項目になっていたにもかかわらず観察していなかった。観察していないのに観察済みのチェックを記入していた。
・人工呼吸器ニューポートe500について確認方法を指導する。
人工呼吸器
その他
呼吸状態が不良の為(喀痰による窒息)、人工呼吸器を使用していた。喀痰量が多かったため超音波ネブライザーを人工呼吸器回路に設置し、去痰を目的にアレベール(気管支拡張剤)の投与を開始した。同日、人工呼吸器の警報が鳴ったため、主治医・看護師は人工呼吸器を交換した。2日後に再びアレベールの投与を開始したところ前回と同様の警報とともに、患者は換気不良となった。臨床工学士とICU(集中治療室)看護師の指摘で、人工呼吸器使用中に超音波ネブライザーとアレベールを同時に使用するのは禁忌であることが判明した。
主治医と病棟看護師はアレベール使用が禁忌であり、厚生労働省の通達があること、薬剤の添付文書にも重要事項として記載されていることを知らなかった。臨床工学士は上記事項を承知していたが、機器操作マニュアル等には具体的に記載していなかった。機器貸出しの際にも注意事項は自明のことと考え、説明していなかった。臨床工学士から実際の使用者である医師・看護師への重要事項の伝達が抜け落ちやすい体制であった。
・人工呼吸器の使用頻度の高い部署の職員には、厚生労働省通達および薬剤添付文書を回覧し、注意を喚起するとともに日常的に教育を行なうこととした。 ・全てのネブライザーにアレベール使用が禁忌である旨を明記したラベルを貼り付けた。 ・院内安全対策委員会では事件の概要と上記の対策案を文書で作成し、関係職員に配布した。 ・また、院内の関係会議の席上でも説明をした。
人工呼吸器
その他
全身清拭後、体位変換を行った。その直後、低圧アラームが鳴り、カニューレが半分抜け出ているのを発見した。
今までに使用したことがない特殊なカニューレであり、カフがないことは知っていたが、リーク防止のためにカニューレガーゼを3枚使用しており、挿入されている部位が短いことを知らなかった。清拭で身体を動かしている間に抜けてきたと考えられる。
・ウィーニング(呼吸器離脱訓練)が出来る場合、体位変換時に呼吸器が外れないようにする。 ・体位変換の後などは抜けていないかカニューレガーゼの下を確認する。 ・知らないカニューレについては、改めて構造や取り扱いを教育する必要がある。
人工呼吸器
その他
入浴前にベッド上で2人介助で上着を脱ぐ際、上着を頭に通し脱いだ瞬間にカニューレが抜けてしまった。固定の紐はゆるく装着されていた。カフエアが抜けておりエアを2ml追加した。
患者の希望でカニューレは緩く紐固定されていた上に、カフエアが抜け気味であり、カニューレの抜けやすい条件が重なっていた。上着を脱ぐ際にカフエアの所在を確認せず、カフエアが上着に巻き込まれカニューレが引っ張られたことにより抜けたと考えられる。
・カニューレの紐固定をきつくするように繰り返し患者に依頼していく。 ・カフエアが抜けやすいため移動や更衣前に確認する。 ・更衣する際はカフエアやサイドチューブの所在を確認し、カニューレが引っ張られないようにする。
人工呼吸器
その他
CV(中心静脈)ラインのセット交換を行なった際、側管から接続されているドーパミン(昇圧剤)のラインも交換した。輸液ポンプが設置されておりその電源を入れ忘れ3時間放置した。血圧が60台に低下し受け持ちの看護師が電源が入っていないことを発見した。電源が入っていないため、アラームが鳴らなかった。ドーパミン再開後まもなく元に戻った。患者に不可逆的な変化はなかった。
経験年数もあり、慣れがあり、最終確認を怠ってしまった。
・輸液ライン交換時もポンプの電源はOFFにしない。
輸血ポンプ等
電源
フローランのシリンジを交換。シリンジがその機器に対応するものであることを確認しないまま患者に接続した。約7時間後、シリンジポンプのアラームが鳴り、故障を疑いME室(臨床工学室)報告した。ME(臨床工学士)と共に、確認したところ、アラームは、シリンジポンプに対応しないシリンジの使用によるものであった。輸液の残量はテルモのシリンジ使用時と同じであった。すぐに規定のシリンジを交換した。患者の状態に変化はなかった。
今までシリンジは50mlばかり使用していたため、20mlのシリンジに種類があったことに気付かずにいた。
・シリンジ接続時は常にロック付きであることを念頭に置き、接続する(トップのシリンジはロック付きでないため)。
輸血ポンプ等
材料
CV(中心静脈)ルートより、KCL(塩化カリウム)が混注された5%グルコース500mlを輸液ポンプを使用し20ml/hで滴下させていた。ポンプは積算量も順調に増えており、通常通り作動しているように見えたが、結局点滴がほとんど滴下していなかった。ポンプの扉を開けるとルートがずれていた事を発見した。
点滴ボトルの残量を確認すると減っていないように見えたが、20ml/hと滴下速度が遅く正確には確認しずらい事と、ポンプの積算量が順調に増えていたことから、滴下しているだろうと思い込んでしまった。
・ポンプの画面やアラームを過信しすぎない。 ・輸液ポンプを使用している場合、必ず自分の目で滴下筒での滴下を確認し残量もチェックするくせをつける。
輸血ポンプ等
設定・操作
側管よりシリンジポンプで生食9ml+ヘパリン15000単位を1.0ml/h注入していた。夕方より生食14ml+ヘパリン10000単位を1.8ml/hの指示に変更となった。量は変更したが注入速度の変更を行なわなかった。翌朝気付き変更した。
1.8ml/hに変更したと申し送りを受け確認しなかった。
・申し送り後に内容と注入速度が一致してるか確認を行なう。
輸血ポンプ等
設定・操作
夜間、看護師がアトニン-O(子宮収縮剤)0.5単位1A+5%ブドウ糖500mlを12ml/hとすべきところ120ml/hで投与していた。40分後当直医が気付き直ちに20ml/hへ下げた。陣痛増強、1分間隔で陣痛発作発来。胎児は心音140-150台/分であり仮死徴候見られず。20ml/hへ下げた後も1分毎の陣痛周期あり、投与を中止した。投与後約1時間で児娩出した。児はアプガースコア(新生児の生後1分の状態を表す採点法)1分後8点(皮膚色-2)、5分後9点(皮膚色-1)であり、母親と面会後新生児室入室した。
薬品投与時と投与後、輸液ポンプに自分で設定した流量(120ml/h)と、ワークシートに記載されている指示量(12ml/h)を照らし合わせ、指差し声出し確認を行わなかった。また、投与後すぐ別患者の所へ行き、当患者に対し陣痛状況や言動、点滴滴下状況を観察せず、点滴滴下数の誤りに気付けなかった。
・薬剤投与の場合、確認行動は処置が重なる状況でも省略せず行う。 ・初めの指示受け時にワークシートの日時・患者氏名・薬剤名と量・投与方法を確認し、投与前にワークシートと患者ネームバンドで患者を照合し、ワークシートと作成した薬剤とを確認する。 ・輸液ポンプ使用時は、ワークシートと輸液ポンプを見ながら流量が合っている事を確認する。 ・投与後もワークシートと薬剤・輸液ポンプを照らし合わせ確認する。 ・また、全ての確認時に指差し声出し確認する。 ・アトニン-O投与後最低30分は患者から離れず、陣痛状況・児心音を十分観察し、薬剤効果についてアセスメントする。 ・アトニン-O使用中患者から離れなければならない場合は医師やリーダーに援助を求める。
輸血ポンプ等
設定・操作
術後の患者に、イノバンシリンジ(昇圧剤)の持続注入が開始になった。その後、患者は血圧などの変動なく経過していたが、次勤務者よりイノバンシリンジ対応でないシリンジポンプを使用していることを指摘された。予定量が注入されていたが、突然注入中止となる可能性があった。
イノバンシリンジを導入して約1年経過している。他部署に比べると、使用している回数も多い部署であったが、「対応シリンジポンプ」の認識が薄れていた。また機器本体に表示をしていたが、わかりにくいものであった。
・対応可能の機種にのみ表示を行うと共に、全部署に写真入りで資料を配布した。
輸血ポンプ等
その他
便秘予防のためグリセリン浣腸を実施しようと、1年目の看護師が浣腸液をグリセリンと生理食塩水を間違えて準備し保温庫に保管した。それを3年目の看護師が取り出し、9年目の看護師と二人で浣腸液の確認をせず6人の患者に実施した。患者のバイタルサインには変化はなく、再度実施した浣腸に反応便があり、先に実施した浣腸がグリセリン液ではなかったことがわかった。患者には腹部症状の悪化はなかった。
決められた手順(3回確認)が守られていなかった。
・準備、実施、観察の具体的な実施手順を作成し、その厳守及び徹底。
浣腸
薬剤間違い
高圧浣腸微温湯で200mlの指示で、指示書で確認し200mlを確認したが、準備の時に300mlと思い込み準備し施行してしまった。新人であり、初めての手技であった。先輩看護師が、準備後を確認し、手技施行時は、指導しながら関わったが、微温湯の量が違うことには気が付かなかった。準備時、ダブルチェックは行わなかった。患者には特に症状等の変化は見られなかった。
新人の技術確認、指導方法に問題があった。また、業務が多忙すぎ、新人にマンツーマンで指導できる環境がない。
・新人の初めての技術に関しては、準備の時点から片付けまで、確認をして行く。
浣腸
薬剤量間違い
術前処置の浣腸をしようとしていて、誤って腟に挿入し、60mlほど注入した。注入中排液があったので、腟に注入したことに気付いた。本人は自覚症状なし。様子観察を行ったが、異常は出現しなかった。
トイレで立位で行っていた。部位が確認しにくかった可能性がある。
・穿孔予防、転倒予防などの面からも、トイレ内や立位での浣腸を禁止した。 ・浣腸はベッド上左側臥位とする旨マニュアルとし、全病棟に配布。全職員を対象に、緊急メールを流した。
浣腸
方法間違い
1日3回(10時、15時、20時)の浣腸の指示が出ていたが、1日2回(10時と20時)に変更になっていた。本日の午後から対象の受け持ちとなり、日勤者より申し送りを受けた際、浣腸を15時に施行するように申し送られ、16時にそのことに気付き、、休憩のため日勤者に施行するよう申し送った。その後、準夜の看護師により浣腸の指示の確認の際に2回の所を3回施行したことが発覚した。
日勤者より、浣腸の指示があることを申し送られており、浣腸を施行するものであると思いこんでいたため、カルテにより確認した際も以前の指示を確認してしまい、変更になったことに気付くことができなかった。
・日勤者より申し送られていても、処置を施行する際は、カルテによる確認を怠らない。 ・変更になった場合、分かりやすいように赤丸をするなどの工夫を行う。
浣腸
方法間違い
医師より患者Aへの浣腸の指示を受けたが、患者Bだと思い込み、受け持ち看護師へ伝え処置が行われた。後になって医師から患者Aの処置・検査が施行されていないことについて聞かれ、発覚した。
医師の指示を口頭で受け、名前を再度確認しなかった。患者AとBが同じ病名で、思い込んでしまった(本日の処置や現在の患者の状況を考えれば気付くものと思い込んでいた)。受け持ち看護師に伝える際、疾病と処置を二人で確認したが思い込んでおり気付かなかった。
・口頭指示を受けざるを得ない時もあるので、その際は特に注意を強める必要がある。 ・口頭指示を受けた場合、紙に書く、復唱して確認をとることを怠らない。 ・処置について、その必要性を充分考える。
浣腸
患者間違い
手術当日の患者。早朝グリセリン浣腸120mlを施行したところ、トイレで排泄中倒れた。トイレの鍵が内側からかかっているためマニュアルに従って開け、患者をストレッチャーに移し、観察室でバイタルチェックをした。血圧70台で返答無く、輸液開始。その後すぐに返答あり体動もみられた。手術は予定通り行われた。
予期しないグリセリン浣腸によるプレショック。浣腸施行後、トイレの前で様子を伺っている必要があったかもしれない。
・どうしてもスタッフの少ない時間帯の処置なので、排便が終わるまでついていることは不可能であるが、可能な限り近くに居て対応できるようにしている。
浣腸
気分不快・ショック等
手術前のグリセリン浣腸120mlを施行する。検温時、BP150台、気分不快なし。浣腸施行し排便終了後、コールするよう説明しそばを離れる。トイレは本人の希望で和式を使用していた。10分後ナースコールあり、便を確認するため立ってもらった。直後、「何か変だな」と言い壁沿いにズルズルと落ち尻をついた。意識朦朧、顔色不良、冷汗を認めた。
浣腸後のショックについての知識が不足していた。浣腸後の状態を確認せず起立させていた。和式トイレを使用していた。
・浣腸後ショックを起こす可能性を考え、患者への説明を行う。 ・トイレは洋式トイレを使用。 ・浣腸施行後、離れず付き添う。
浣腸
気分不快・ショック等
内視鏡検査前処置としてグリセリン浣腸の指示が出たので実施した。1回目反応便がなく、2回実施の指示が出たため、施行した。施行後少量の出血があった。内視鏡の結果、粘膜の損傷が確認され止血処置をした。グリセリン浣腸の手技は間違っていなかった。また容器の血液付着も見られなかった。
患者自身下剤や浣腸を乱用し粘膜が脆弱していた。直腸診をした医師からの注意喚起がなかった。
・処置時、特に注意が必要な患者と判断した場合指示簿に記入する。
浣腸
腸管の損傷・出血等
痔のある患者の浣腸と摘便を施行した。浣腸挿入時痛いと訴えられ再度挿入し直したが痛みの訴えあり、出血もあった。
痔のある方への浣腸摘便の仕方。
・痔がある患者には特に注意し、痛みを訴えられた時には、一度中止して時間をおいて再度施行する。
浣腸
腸管の損傷・出血等
手術前日に、術前処置があると思い、高圧浣腸を行った。施行後指示を確認したところ、高圧浣腸は手術当日の朝だった。医師に報告した。
同時刻の入院予約が3件あり、患者を待たせてはいけないという思いから、指示を確認せず、思い込みで高圧浣腸を施行してしまった。
・慌てず、指示をしっかり確認してから患者に処置を行う。
浣腸
その他
A氏、B氏、C氏の3名がレントゲンに呼び出された。3名とも車椅子移動の患者であり、C氏は安静度を確認する必要があった。そのためA氏、B氏の移送をフリー業務の看護師へ依頼した。その際「A氏ともう1名をレントゲン室へ」と声を掛けた。受け持ち看護師は処置中であった。2名をレントゲン室へ案内し受付で名前を告げた。放射線技師がC氏を呼び出し看護師に「C氏ですね」と聞くと看護師が「ハイ」と返答したため撮影した。その後C氏の安静度がポータブル撮影であったことを確認した受け持ち看護師が、放射線部にポータブル撮影を依頼したところ、すでに撮影済みになっていたことから、B氏とC氏の取り違えが発覚した。
情報の伝達が確実になされていない。フリー業務の看護師は主に処置などにつくため、患者の情報収集が正確になされていなかった。依頼されるままに患者移送を行ったことがインシデントにつながった。又、入院患者はネームバンドの着用を行っているにも関わらず、看護師・放射線技師共に活用していなかった。
・業務を依頼する場合は、患者情報を申し送る。 ・患者氏名の確認を確実に行う。 ・特に検査部門においては、患者確認の仕方についてネームバンドの確認や、外来患者においては氏名を名乗ってもらう、生年月日を言ってもらうなどのルールを決める。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
救急外来の医師から時間外検査室に「緊急結果が出ていない」と連絡があったため確認すると、同姓の患者の検査が検査済みになっていた。医師が氏名を確認し、ラベルが間違っていたことがわかった。
同姓の患者名のため、間違ってラベルを貼り付けてあった。患者名だけでの確認で、患者IDの確認がなされていなかった。
・検体提出時、患者氏名の再確認を確実に行う(多数同時検体提出時は不可)。 ・オーダーリングシステム上においての運用でも、発生源入力が間違っていれば、システムの効果は希薄である。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
児のビリルビン再検時血液検査を施行。結果をパスへ記載する際、週末の時間外に出生した児で、血液検査されていなかった他の患児のパスへO(+)と記載してしまった。転記する際に伝票を確認したはずであったが、正しい児であると思い込んでしまい疑わなかった。O(+)と記載してしまった児の母親から退院時、看護師に血液型がおかしいと指摘があり血液検査を施行していなかったことが判明し報告を受ける。血液検査施行しB(+)であることが判明した。
血液結果をパスへ転記する際、血液伝票の名前とパスの名前を確認していなかった。休日であると、血型、血液像は検査出来ない等。検査項目、検査出来る日が複雑である。
・血液型結果をパスへ転記する際、血液検査伝票の名前とパス、カルテの名前を確認する。 ・血液検査の施行日を日齢1日目か5日目と決める。 ・血液検査を施行した場合は必ず施行日をパスに記載し皆が判るようにしておく。 ・結果伝票は必ずその日に取りに行く。 ・日齢1日目が休日になる場合は、血算、血型、ビリルビンのみ緊急にして、1日目に必ず血型が判明するようにする。 ・複雑な検査システムを統一に向けて検討をする。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
DIC(胆のう造影)検査のために来院。朝、外来窓口で患者から声をかけられたA看護師は「トイレを済ませて待って欲しい」旨説明し、他の仕事のため外来を離れた。B看護師は時間になったので、外来待合室で氏名を呼び、来た患者を処置室に案内しベッドに横になってもらった。ビリスコピン(胆のう胆管造影剤)の点滴をベッドサイドに準備して、注射担当のC医師を電話で呼んだ。C医師は「胆道の検査のために注射しますね」とベッドに横になっている患者に声をかけて、準備されている薬剤を注射した。その際氏名確認は行わなかった。15分位して、副作用の有無を確認しにベッドサイドに行ったA看護師が、患者取り違えに気が付き、点滴を抜去した。
患者が返事をしたので該当患者と思い込んでしまった。患者に名前を名乗ってもらわなかった。検査予約表をチェックしなかった。外来患者の対応や処置の担当者が場面によって変わること。自分が担当する場面での事前準備はすべて間違いなく行われていると思い込んでいるため、「何の注射をするのか」と患者が聞いたにもかかわらず疑問を感じることなく実施してしまった。確認がおろそかになっていた。行われた処置情報の確認が行われていない。
・患者に名乗ってもらうルールが守られていないため、各種会議で事例を提示して情報共有する。 ・検査目的を確認するため予約表をチェックする。 ・点滴が終了するまでカルテを患者のベッドサイドに置いて、処置前にカルテを確認する。 ・外来業務の見直しをしていく。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
予約外で薬のみ希望の患者Aのフォルダが診察室に回ってきた。診察の順番としては予約で来院していた患者Bだった。2人とも中待合で待っている状態で、医師は薬のみ希望で来院した患者Aを先にフルネームで呼び入れ、IDカードを受け取りフォルダに収めた。しかし、実際診察室に入ってきたのはB氏であった。医師はその患者がA氏であると思い込んでいたため、A氏のカルテを開いていた。そして「今日は薬だけですね」と患者に問うと、「前回診察のとき、今度はレントゲンを撮りましょうといわれました。」と答えた為、カルテ上の所見からレントゲンのオーダーを出した。担当の看護師も患者がA氏であると思い込んでいたため、IDカードを確認しないままフォルダ内に放射線科へ案内する札を入れ患者に渡しレントゲンを撮ってくるよう説明した。次に医師がB氏の名前を呼び入れたがいなかったため他の患者の診察を始めた。レントゲン受付より電話にて「患者B氏が受付けに来ているが、オーダーが入力されておらず、フォルダ内の受診票がA氏のものである」と連絡があり、事故の発生に気が付いた。
診察室のドアが閉められた状態で医師が名前を呼んでいるので、待合室での患者同士の会話や雑音によっては呼ばれた名前が聞こえにくい。患者からIDカードを受け取った時、医師も看護師も患者がA氏であると思い込んでいたため、IDカードの名前を確認しなかった。患者B氏自身も次に自分が呼ばれる番だと思い込んでいたと思われる。レントゲンのオーダーが出て患者をレントゲンへ案内するときも担当看護師は患者がA氏だと思い込んだままであったため、本人確認をしなかった。電子カルテ上、2人の患者の所見が似ていたため、別人だと気付かなかった。
・医師が患者を呼び入れる際、担当の看護師は診察室のドアを開け、「○○様」と呼び入れる。 ・患者から、IDカードを受け取るのは本人であることを確認する為の基本的なマニュアルであるため、必ず実施する。 ・検査の指示が出て、他の部署に案内する場合は、「では、○○様ご案内します」というように声に出して名前を言い確認をする。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
血糖とヘモグロビンA1cの検査中に再検チェックに引っかかっていた為データの確認をした所、前回値とかなり違った値だったので、再検をしようとしたところ受付にてその患者の採血管がなくなってしまった。ラベルを再発行して、当該患者より採血し検査した所、前回値とよく似たデータであった。前回値と大きく外れた検体は(既に検査済みで再検チェックとなった検体)は、他の患者の採血管に紛れて他の患者より採血されたものと思われる。
時間により、検査業務をしながら採血もしている。また、昼休みの交替時間でもあったため、職員が不足していた。できればBCロボ(採血管準備システム)を利用し、1患者様1トレイを徹底すれば防げたと思われる。
・1患者1トレイの徹底。 ・採血時に患者の確認、および採血管、採血ラベル(氏名を含めて)を徹底する。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
○病棟のA氏に腹部エコー(超音波検査)の予約が入っていた。当日のエコー担当医が、A氏を電話で呼び出す際に、誤って△病棟へ電話しクラークへ「Aさんを腹部エコーへ」と告げた。△病棟へは同姓のB氏が入院中であったため、クラークはB氏の担当看護師へその旨伝えた。担当看護師は、B氏が腹部エコーの予定でないことに気付いたが、嘔吐を繰り返していることから「主治医が臨時で予約を入れたのだろう」と思い主治医へ確認しないままB氏を腹部エコーへ案内した。検査を実施した研修医は「Aさんですか」と確認したもののフルネームでの確認及び、ネームバンドの確認を行わなかった。検査後○病棟のA氏の検査呼び出しがないことから検査室へ問い合わせ、B氏の腹部エコーが終了していることが分かり、詳細を調べた結果、患者取り違えが判明した。
業務手順、ルール、チェックの仕組みの問題点。スタッフの患者確認が姓のみで行われている。ネームバンドが活用されていない。検査予約の確認を行っていない。
・全職種において患者確認をフルネームで行うよう徹底する。 ・入院患者においてはネームバンドを活用する。 ・検査予約を確実に行う。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
同室の患者Aと患者Bの採血を行うため、各患者名の印字された採血スピッツを持って病室に行った。そして患者Aの血液を患者B用の採血スピッツに採取し、患者Bの血液を患者A用の採血スピッツに採取し、検査室に提出した。その後、検査結果の異常値を見て取り違えたことに気付いた。患者に対し取り違えた事を説明し、再度採血を行った。
患者への氏名の確認が不十分だった。他患者の検体スピッツをベッドサイドに持っていったこと。検体スピッツに印字されている氏名の確認が不十分だった。
・ベッドサイドには採血する患者の検体スピッツのみ持参すること。 ・採血前に採血スピッツに印字されている氏名を呼称し、患者自身に間違いがないか確認してもらうか、患者自身に名前を名乗ってもらう。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
オーダーリングにて発行された検査伝票のバーコードをセンサーにかけ、コンピューターによりラベルが貼付された試験管を吐き出す機器を使用している。外来看護師が通常通りラベルの貼付された試験管を準備し、採血した。このとき、同姓の患者が続き、検体を次の患者の試験管で採血してしまった。検査室より、前回データーと全く異なることを指摘された。また、医師からも指摘あり発覚。検査結果は両方の患者共に入力せず(確実にその間違いなのかはっきりしない)。再度採血実施。患者へ謝罪した。
外来では流れ作業で採血を実施しているため、バーコードをセンサーにかける看護師と、採血する看護師が異なる。採血する看護師は「伝票」、「試験管」を確認、患者に生年月日と名前を名乗っていただき、採血実施のサインをすることになっているが、確認が不十分であった。また、医師のオーダーの立て方で、試験管が1人の患者に2つのトレイで出てきたりする。確認作業が不十分であった。
・時間がかかっても、バーコードをセンサーにかけ試験管を発行した看護師が責任を持って採血する手順にする。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え
緊急CT検査室で同姓の女性の名前を間違えて検査を行った。頭部撮影を行うべきところ、鼻部の撮影を行った。30分後診療科外来から画像が見れないと連絡が入り、間違いに気が付いた。
患者確認をする際にフルネームで確認しなかった。患者から名乗ってもらうようにしなかった。検査伝票とリストバンド(ネームバンド)を照合、確認しなかった。
・フルネーム確認を徹底する。患者から名前を名乗ってもらうよう職員患者に説明→検査場所にポスターを掲示した。 ・リストバンドと検査伝票の照合、確認をする。
患者取り違え、手術・処置の間違い
検査での患者取り違え